求人歴史街道

平成の大阪

21歳になった剛力さんは、バイト生活にピリオドを付けようと思い、
事務職の正社員の求人に応募を始めた。
10社程度受けてようやく採用が決まった。
「苦労した甲斐があった」
とその時は本気で喜んだ。ところが、安泰と思われていた正社員も、
わずか半年ほどで解雇されてしまった。
リーマンショックの影響がもろに経営に直撃し、倒産してしまったのである。

剛力さんは失意の中、ふと昭和から平成に変わった頃はどのような状況だったのか知りたくなり、
洗濯機の中に入って平成元年頃までタイムスリップした。

この頃はいわゆるバブルの末期で、求人に応募すればほぼ間違いなく採用されるという状況だった。
これに乗じて剛力さんも事務の求人に一社だけ応募し、見事に採用された。

しかし数年後、バブルがはじけ、株価は暴落。
それにつられて会社の業績は一気に悪化し、ついにはせっかく採用した社員を
解雇せざるを得なくなるところまで追いつめられた。

剛力さんも例外ではない。会社から突然解雇を宣告されたのである。

これ以後、このようなリストラが横行し、求人もほとんど無いという、
求職者にとっては正に地獄ともいえる時代に突入していくことになる。
剛力さんも数十社応募をしたが、全て書類審査で落とされた。

剛力さんもこれほどまでに厳しいことは予想外で、
「これだったら元いた時代の方がまだましだわ」
と言って、洗濯機の中に入って現代に戻った。